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位相差顕微鏡

無色透明の微生物や細胞などを顕微鏡で観察する場合、一般的には試料を固定・染色処理を施して、検体に色や明暗の差を付け、より観察しやすい状態にしてから検鏡します。この方法は検体を明瞭に観察することができる利点を有しますが、同時に検体が死滅してしまうという欠点もあります。

位相差顕微鏡は、検体と背景の光の屈折率の差を利用することにより(光の回折や干渉現象を利用)、像の明暗のコントラストを高めて観察できるようにした光学顕微鏡です。無色透明の標本を無固定・無染色・非侵襲で、生きたままの状態で観察することが出来ます。無色透明の検体の観察においては明視野観察とは比較できないほどの明瞭な像を得ることができます。

位相差検鏡法は、位相差の小さな物質の検出に優れています。生物細胞の観察や臨床検査などで多く用いられます(歯科のプラーク中の口腔内細菌検査、皮膚科の真菌検査、血液検査,血小板の測定,染色体検査,尿の沈渣,微生物の検査、珪藻の観察など)。

また石綿(アスベスト)、ポリマーなどの透明物質など、多くの検体の観察に用いられます。
位相差用の対物レンズには内部に位相板が組み込まれています。またコンデンサ部に環状絞りが組み込まれています。この2点が一般的な顕微鏡と大きく異なる部分です。

弊社の位相差顕微鏡は、位相差用の対物レンズに加え、通常の明視野観察用の対物レンズとコンデンサが付属しているモデルも用意しています。1台で位相差観察と明視野観察の両方が可能です。

正立型の位相差顕微鏡と、倒立型の位相差顕微鏡をご用意しています。正立型の位相差顕微鏡は主にプレパラートの標本の観察に用いられます。倒立型の位相差顕微鏡はシャーレや培養フラスコ内の培養細胞などの観察に用いられます。

レイマーの位相差顕微鏡は他社製品に負けない高品質を有しながらも、驚きの超低価格を実現。病院・歯科医院、大学・企業などの研究機関などでご利用頂いている信頼できる製品です。

位相差顕微鏡ラインナップ

BX-2708TPHL 位相差顕微鏡

BX-2708TPHL 位相差顕微鏡
¥276,000-(税抜)
税込¥303,600、送料当社負担
  • 総合倍率100倍~1000倍
  • 三眼鏡筒
  • アクロマート対物レンズ
  • プランアクロマート対物レンズ
  • 広視野接眼レンズ
  • 明視野・位相差
  • LED照明

コストパフォーマンスの高い位相差顕微鏡

4本のプランアクロマート位相差用対物レンズ(10倍・20倍・40倍・100倍)を搭載。で採用。高コントラストで平坦性の高い位相差像が得られます。

明視野用のアクロマート対物レンズ4本(4倍・10倍・40倍・100倍)も標準付属しており、明視野観察用の生物顕微鏡としても利用できます。

血液や口腔内細菌・微生物・アスベストなどの観察にご利用頂けます。

三眼鏡筒モデルですので、顕微鏡用USBデジタルカメラやHDMIカメラ等の撮影機器を接続し、顕微鏡像のリアルタイム映像出力や、静止画・動画撮影することが可能です。

BX-3500TPHL 位相差顕微鏡

BX-3500TPHL 位相差顕微鏡
¥350,000-(税抜)
税込¥385,000、送料当社負担
  • 総合倍率100倍~1000倍
  • 三眼鏡筒
  • プランアクロマート対物レンズ
  • 広視野接眼レンズ
  • 明視野・位相差
  • LED照明

プラン対物レンズとLED照明搭載の位相差顕微鏡

プラン・アクロマート仕様の位相差顕微鏡で、視野の隅々までクリアな顕微鏡像が得られます。生物顕微鏡 BX-3500TLにプラン・アクロマート位相差検鏡ユニットを加えた製品です。

高輝度LED照明、5穴の逆レボルバ、ワイド・メカニカルステージ。三眼鏡筒なので、USBカメラなどを接続し顕微鏡像をモニタ出力したり、カメラで写真撮影したりすることも可能です。

SXJ-5800TPHL 倒立型生物顕微鏡

SXJ-5800TPHL 位相差顕微鏡
¥415,000-(税抜)
税込¥456,500、送料当社負担
  • 総合倍率40倍~200倍
  • 三眼鏡筒
  • 位相差
  • 広視野接眼レンズ
  • LED照明
  • ケーラー照明

高コントラストでクリアな位相差観察が可能な無限遠補正光学系の倒立型生物顕微鏡です。4X、10X、20Xの位相差用対物レンズが標準付属しており、培養細胞などの観察が可能です。高輝度白色LEDを光源としたケーラー照明により、視野の隅々まで輝度ムラのないフラットな照明光が得られます。ハイアイポイントの広視野接眼レンズなので、メガネをかけたままでも検鏡可能です。エルゴノミックデザインで検鏡時の操作が楽な姿勢で行えます。コンデンサは容易に光路外に出せるので、高さのある多層培養フラスコのようなものも観察出来ます。明視野観察や蛍光観察用のオプション品を取り揃えており、拡張性の高い培養顕微鏡となっております。

デジタル位相差顕微鏡
DPH-2700FM

デジタル位相差顕微鏡(モニタ付デジタルマイクロスコープ)DPH-2700FM
¥395,000~(税抜)
税込¥434,500~、送料当社負担
  • NEW
  • 総合倍率100~1000倍
  • デジタル顕微鏡
  • プランアクロマート対物レンズ
  • 電源一元仕様
  • LED照明

フルハイビジョン画質のモニタ付デジタル位相差顕微鏡です。
SONY製の高品質なセンサにより、鮮明な顕微鏡像が得られます。モニタ上の表示倍率は最大倍率時で約5300倍。 4本の位相差用対物レンズ(10倍・20倍・40倍・100倍(油浸))搭載で、様々な用途でご利用頂けます。

モニタに顕微鏡像を映し出すだけでなく、静止画・動画の撮影も可能。撮影した画像はUSBフラッシュメモリに保存されます。
撮影した静止画や動画を再生することもでき、ライブ画像上でサイズ・角度等が計測できる機能も標準装備しています。

        

撮影や設定はUSBマウスで操作。直観的に分かりやすいグラフィカルユーザーインターフェースです。

         

顕微鏡本体とカメラ・モニタの給電を一元化しているため、電源コンセントの空きが1つあれば使用可能です。

歯科用位相差顕微鏡
PDM-2700F/2700FM

歯科用位相差顕微鏡(モニタ付デジタルマイクロスコープ)PDM-2700F/2700FM
¥310,000~(税抜)
税込¥341,000~、送料当社負担

顕微鏡に不慣れなスタッフでも扱いやすい、歯科用位相差顕微鏡です。

口腔内細菌観察に十分な倍率を備えています(27インチモニタ上で約4200倍)。

歯科用途で多用される40倍対物レンズ、映像での観察に限定することで、倍率変更時のレンズ交換・調整や、接眼部との同焦点調整が不要です。

ピント調整と観察位置を決めるだけの簡単操作で、複雑な操作による観察時の設定ミスや、不要な操作によるセッティングの狂いが生じず、実務スタッフに安心して使用を任せられます。

XY同軸式のステージは、微細な位置調整が可能で、手で直接ステージを動かす仕様の顕微鏡に比べ、見たい場所を簡単に見つけられます。

一般的なアナログカメラ仕様に比べ、高精細・高画質なHDMIデジタルカメラを採用。高解像度な200万画素(フルHD解像度)・最大60fpsの高速フレームレートで、美しく遅延の無い像が得られます。

パソコンが無くても静止画・動画の撮影ができ、一般的な形式のデータがカメラに挿入されたUSBメモリに保存されるため、データ管理が容易です。

また、HDMI入力に対応した電子カルテシステム等との連携も可能です。

高性能でありながら、リーズナブルな価格でご提供しております。

販売終了

位相差顕微鏡とは

位相差顕微鏡(Phase Contrast Microscope)は、光学顕微鏡の一種で、試料によって生じる光の位相の差を、光の回折・干渉という性質を利用して明暗のコントラストに変換する顕微鏡です。コンデンサ内に環状絞り、対物レンズに位相板を備えているという特徴を有します。

位相差顕微鏡では、無色透明の標本を無固定・無染色・非侵襲で、生きたままの状態で高コントラストな像で観察することが出来ます。

通常、微生物や細胞などの透明な試料は、固定・染色処理によって色や明暗の差を付けてから観察しますが、この方法では検体が死滅してしまいます。位相差顕微鏡による位相差観察は、この固定・染色処理による欠点を解消し、生きたままの状態で観察できる点に大きな特徴があります。

位相差顕微鏡の基本構造と原理

基本構造

位相差顕微鏡には、生物顕微鏡の基本構造に加えて、コンデンサ内部に環状絞りと対物レンズ内部に位相板という2つの光学部品が組み込まれています。

環状絞り (Annular Diaphragm)

リング状の開口部を持った絞りで、コンデンサ内に設置されています。光学的にはコンデンサの前側焦点位置に取り付けられます。
光源から出た光は、環状絞りを通過し、リング状の光束となって試料に照射されます。

位相板 (Phase Plate)

リング状の位相膜を持つ光学部品です。誘電体薄膜と金属膜がガラス板などに蒸着してあります。誘電体薄膜部分が位相膜で、これが光の位相をシフトさせます(わずかに進む・または遅らせる(約1/4波長))。金属膜は非回折光の輝度を減衰させます。光学的には対物レンズの後側焦点位置に取り付けられます。
位相板には以下の2種類があります。

ポジティブコントラスト

光の位相を進めます。顕微鏡像は背景部分が明るく、試料部分が暗く見えるため、ダークコントラストとも呼ばれます。

ネガティブコントラスト

光の位相を遅らせます。顕微鏡像は背景部分が暗く、試料部分が明るく見えるため、ブライトコントラストとも呼ばれます。
※レイマーで取り扱っている位相差顕微鏡用対物レンズは全てポジティブコントラストです。

その他の接眼レンズ、鏡筒、ステージ、焦点調整機構などは、生物顕微鏡と同じです。

原理

位相差顕微鏡は、無色透明な標本を、光の回折・干渉という2つの性質を利用して明暗のコントラストを付けてに可視化します。以下にその原理を解説します。

リング状の光による照明

光源からの光は、コンデンサー内の環状絞りを通ることでリング状の光束となり、試料を照明します。(図1、図2:A)

位相差の発生

試料に照射された光は、試料内の観察対象を透過する光(回折光)と、その周囲の媒質を透過する光(直接光)に分かれます。回折光と直接光にはわずかな位相のズレが生じています。

  • 回折光(Diffracted Light):図1、図2:C
  • 直接光(Direct Light):図1、図2:B

この時点では、回折光と直接光の位相のズレの量はわずかであるため、人間の目にははっきりとした明暗のコントラストとして認識されません。

位相板による直接光の位相の制御

試料を透過した光は対物レンズに入り、対物レンズ内の位相板を通過します。

  • 回折光は位相板の位相膜のない部分を透過します。
  • 直接光は、位相板の位相膜部分を透過します。この時直接光の位相が約1/4波長進められます(図2:D)。
干渉によるコントラストの生成

位相板によって直接光の位相が約 1/4 波長進められた結果、回折光と直接光の位相の差はおよそ 1/2 波長となります。

  • 回折光と直接光は干渉を起こします。(図2:E)
  • 干渉することで光が弱まるため、観察対象を通過した光は周囲の媒質を透過した光よりも暗く見えます。(図2:F)

このように、観察対象とそれの周囲の媒質の間に明暗差(コントラスト)が生じ、認識できるようになるわけです。

また、試料の輪郭部分では、直接光と回折光の分離が不完全になりやすく、意図しない干渉が起こります。その結果、像の輪郭が明るく縁取られる「ハロー(Halo)」という現象が発生します。

ハローの強度は、試料の厚みによって変化し、より厚い試料ではより強くハローが発生する傾向があります。

位相差顕微鏡の用途

位相差顕微鏡は、生きた細胞や微生物などの生物試料を、無固定・無染色・非侵襲でそのまま観察できることが大きな特徴です。

また、透明な工業材料のようなものに対しても、屈折率やわずかな厚みの違いを明暗のコントラストとして可視化できます。

ここでは、位相差顕微鏡が用いられる具体的な観察例を以下に挙げます。

1. 医療・臨床分野

この分野で位相差顕微鏡を用いる利点は、臨床検体中に含まれる細胞や細菌などを、染色を行わず短時間で観察し、異常の有無をスクリーニングできることです。染色・固定のプロセスを省けるため、炎症や感染の有無を評価する観察に適しています。

観察例

血液

赤血球・白血球・血小板の形態の観察・算定に用いられ、診断材料になります。

尿沈渣

硝子円柱、赤血球、白血球、細菌、真菌などの尿中成分の有無を確認(診断)する際に用いられます。

白癬菌

皮膚角質片中の白癬菌の検出に用いられます。

口腔内細菌

歯垢・唾液内の口腔内細菌の観察に利用されます。

2. 生命科学分野

染色や固定を行わないため、細胞や微生物の自然な状態を保ったまま変化の様子を追跡できます。

観察例

培養細胞(がん細胞、iPS細胞など)

がん細胞の増殖や薬剤に対する反応などを観察します。
iPS細胞が形成するコロニーの大きさ、表面のテクスチャなどを観察し、未分化状態や分化の進行度を評価します。

微生物(細菌・酵母・カビなど)

細胞形態、出芽や菌糸伸長などの発育過程に確認(観察)に用いられます。
乳酸菌や酵母などの食品関連微生物についても、発酵工程中の増殖状態や形態の確認に利用されます。
下水や廃水処理において、活性汚泥中のフロックの大きさや凝集状態を確認(観察)します。

3. 工業分野

この分野で位相差顕微鏡を用いる利点は、透明または半透明な工業材料の厚みや屈折率のわずかな差を明暗のコントラストとして可視化できることです。材料の品質管理や欠陥検査、微粒子や繊維の評価などの観察に利用されています。

観察例

ポリマー薄膜

厚みのムラ、層構造の不均一、異物の検査、微細な傷の検出などに使用されます。

マイクロ流路デバイス

流路内の微粒子、気泡、異物の観察に用いられます。

アスベスト(石綿)

アスベスト繊維の形状・長さを計測します。作業環境測定でのアスベスト計数法では位相差顕微鏡の使用が必須です。

エマルション

液中に分散した油滴の凝集状態を確認します。

位相差顕微鏡の使い方

位相差顕微鏡で鮮明な像を得るために重要なポイントは、「試料の作製」と「顕微鏡の光軸調整(特にコンデンサの調整)」です。

試料の作製

位相差顕微鏡で細胞や微生物などを観察する際には、「一時プレパラート」が一般的に用いられます。一時プレパラートは試料の前処理を行わず、そのままの状態でスライドグラスとカバーグラスの間に封入されます。

明瞭な位相差像を得るには、一時プレパラートを薄く均一に作ることが重要です。試料が厚すぎると、位相差観察で見られるハローが過剰に発生したり、像が不明瞭になったりします。

一時プレパラートを作製し観察するときの手順は以下の通りです。

  1. スライドガラスに試料を少量載せます。
    ※必要に応じて生理食塩水等を試料の上に滴下します。
  2. カバーガラスを静かに載せます。
  3. カバーグラスの上に重り(分銅など)を置き、余分な液体はろ紙で吸い取ります。

※マニキュアなどでカバーグラスの四辺を封じることで、大気圧によるカバーグラス浮き上がり、試料の乾燥、液流による試料の移動を軽減できます。

※シャーレ内の培養細胞の観察などでは、一時プレパラートを作製せずにシャーレをそのままステージに載せて観察することもあります。

顕微鏡の光軸調整

位相差顕微鏡の性能を最大限に引き出す為には、顕微鏡の光軸の調整、特にコンデンサと環状絞りの芯出しを正確に行う必要があります。

コンデンサの芯出し

コンデンサの位置を顕微鏡の光軸に一致するように調整します。この作業は後述する環状絞りの芯出しに先行して行います。

コンデンサは明視野観察のポジション(光彩絞りの付いているポジション)に設定します。

接眼レンズを1つ外し、代わりに「芯出し望遠鏡」を差し込みます。

40倍の対物レンズを光路に入れ、コンデンサの光彩絞りを一度最小まで絞り込んだのち、徐々に絞りを開いていきます。

絞りの大きさが対物レンズのひとみの外周(芯出し望遠鏡の視野の外周)と重なった状態から20~30%程度絞り込んだ状態にします。

芯出し望遠鏡を覗きながらコンデンサ上下ハンドルを回して、コンデンサ絞り像(図3)が見えるように調整します。

コンデンサ絞り像が図3のAやBのようになっている場合、コンデンサ芯出しつまみを操作して図3のCのようになるよう調整します。

環状絞りの芯出し

次にコンデンサの環状絞りのリング状の光と、位相差用対物レンズ内の位相板のリングの位置を正確に合わせる調整を行います。使用する対物レンズを光路に入れ、その対物レンズに対応した環状絞りをコンデンサ側にセットします。(注:顕微鏡のタイプにより、コンデンサのリングを回して切り替えるものや、スライダーを差し込むものなどがあります)

芯出し望遠鏡を覗きながら先端を回してピントを合わせ、環状絞りのリング状の光と、位相板のリングがはっきり見えるように調整します。

芯出し望遠鏡を覗いたまま、図4のように、コンデンサ側の環状絞りの位置を調整し、2つのリングが「同心円状」にぴったり重なるように位置を合わせます。

この作業は各対物レンズごとに調整を行う必要があります。

※顕微鏡によっては、1つの環状絞りが複数の対物レンズに対応している場合もあります。

位相差顕微鏡のよくある質問

以下、位相差顕微鏡についてよくある質問へのリンクをまとめました。

※別サイト(レイマー顕微鏡テクニカルサポートページ)が開きます。

文献紹介

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