金属顕微鏡
光不透過性物質(金属に代表される光を通さない物質)の観察をするための顕微鏡です。
照明光は対物レンズ内部から照射され(同軸落射照明)、その反射光を観察する顕微鏡です。生物顕微鏡などは標本の表面を覆うカバーガラスの厚さを計算に入れて対物レンズが設計されており、金属顕微鏡の対物レンズはカバーガラスが無い状態で観察するように設計されています。
金属や合金などの物質の識別や分析(鋳造、精錬、冶金、熱処理、熱加工品の原材料や加工処理後の検査・分析など)に用いられたりします。金属組織学、鉱物学や、鉄道、航空、船舶、自動車、発電、錠前、粉末冶金、精密機械工業、電気・電子、化学工業分野などの生産現場や研究・教育の幅広い分野でご使用いただけます。
金属顕微鏡ラインナップ
BMJ-3400TL 倒立型金属顕微鏡

税込¥374,000、送料当社負担
- 総合倍率50倍~1000倍
- 倒立型
- プランアクロマート対物レンズ
- LED同軸落射照明
- 明視野・偏光
LED照明を搭載してリニューアル!
ステージにおいた検体を下方から観察します。厚さのある検体を観察する場合には便利です。また鉱物などを検査する場合は検体の一面のみを平面に加工するだけでよいという利点があります。金属組織の観察などに適した顕微鏡です。
高品質プランアクロマート対物レンズ、広視野接眼レンズの採用により視野の隅々までクリアで広視野の像が得られます(DIN規格)。ハイ・アイポイント設計なので、眼鏡をかけたままでも検鏡が可能です。偏光観察も可能。
三眼鏡筒仕様で、CマウントアダプタとJIS鏡筒が標準で付属するのでUSBカメラ等を簡単に接続でき、顕微鏡像を撮影したり、モニタ出力することができます。
BM-3400TL 金属顕微鏡

税込¥313,500、送料当社負担
- 総合倍率50倍~600倍
- 正立型
- プランアクロマート対物レンズ
- LED同軸落射照明
- 明視野・偏光
LED照明を搭載してリニューアル!総合倍率もアップ。
BM-3400Tは正立型の金属顕微鏡で、高品質プランアクロマート対物レンズ、広視野接眼レンズの採用により視野の隅々までクリアで広視野の像が得られます(DIN規格品)。
5穴の逆レボルバ仕様。総合倍率50~600倍。三眼鏡筒仕様で、CマウントアダプタとJIS鏡筒が標準で付属するのでUSBカメラ等を簡単に接続でき、顕微鏡像を撮影したり、モニタ出力することができます。
偏光観察も可能な落射照明の金属顕微鏡です。
BM-3400TTRL 金属顕微鏡

税込¥346,500、送料当社負担
- 総合倍率50倍~600倍
- 正立型
- プランアクロマート対物レンズ
- LED同軸落射照明・LED透過照明
- 明視野・偏光
同軸落射照明と透過照明を併せ持つ正立型金属顕微鏡
一般的に金属顕微鏡が備えている同軸落射照明に加えて、透過照明も装備していることにより、光透過性の検体(液晶のような半透明の物質など)の観察も可能です。同軸落射照明と透過照明の同時使用が可能で、種々の照明効果が得られます。
高品質プランアクロマート対物レンズ、広視野接眼レンズの採用により視野の隅々までクリアで広視野の像が得られます(DIN規格品)。5穴の逆レボルバ仕様。総合倍率50~600倍。
三眼鏡筒仕様。CマウントアダプタとJIS鏡筒が標準付属し、USBカメラ等を簡単に接続して顕微鏡像を撮影したりモニタ出力することができます。
偏光観察も可能な顕微鏡です。
RM-5400TL 金属顕微鏡

税込¥495,000~、送料当社負担
- 総合倍率50倍~500倍
- 正立型
- プランアクロマート対物レンズ
- LED同軸落射照明
- 明視野・偏光
無限遠補正光学系の正立型金属顕微鏡です。高品質プランアクロマート 対物レンズ、広視野接眼レンズを搭載。ピラー構造なので顕微鏡本体とステージ間の距離を広くとることができ、厚みが薄い標本から非常に厚 みのある標本まで幅広く観察が可能です。ロングピラータイプもご用意しています。焦点機構は鏡筒昇降式で、重量のあるサンプルの観察も可能です。
鏡筒背面にはM8のネジ穴が設けられており、装置組み込み型の同軸落射顕微鏡ユニットとしても利用可能です。
高輝度白色LEDによる同軸落射照明で、照明ムラのない良質の顕微鏡像が得られます。また簡易偏光装置を標準装備し、偏光特性をもった標本の観察や製品のキズなどのチェックなどにもお使い頂けます。
撮影鏡筒には付属のJISアダプタやCマウントアダプタを介して種々の撮影機器を取り付けることが出来ます。光路分配式鏡筒なので、カメラで 撮影しながら肉眼でも同時に観察できます。
HM-20L 小型測定顕微鏡

税込¥28,600、送料当社負担
- 総合倍率20倍
- セミプランアクロマート対物レンズ
- LED照明
- ミクロメーター付
HM-20L は軽量コンパクトで使いやすい小型の測定顕微鏡です。精密機械工業・紙工業・繊維工業分野をはじめとする工業分野の検品や、教育・研究分野での使用と、幅広くお使いいただけます。
小型の顕微鏡ですが、大きなサンプルに顕微鏡を載せて使用することもできるため、鋼板や繊維製品、壁面や大型の構造物など、大きな検体の検査や計測にも利用できます。
測定用の接眼ミクロメーターがあらかじめ装着されており、すぐに利用可能です(ミクロメーターは着脱可)。像の大きさを微調整する機構が備わっているため、接眼ミクロメーターの目盛り較正ができ、楽に計測ができます。
照明ライト付き(単4電池駆動式)。
販売終了
金属顕微鏡とは
金属顕微鏡(metallurgical microscope)とは、金属・合金、セラミック、鉱物、半導体のような光を透過しない試料を観察するための顕微鏡です。光学顕微鏡の一種ですが、生物顕微鏡が試料内部に光を透過させるのとは異なり、金属顕微鏡は試料表面で光を反射させることで像を得ます。光不透過物の観察には実体顕微鏡が用いられることもありますが、金属顕微鏡は実体顕微鏡よりも高倍率で高い分解能の像が得られます。
金属顕微鏡の基本構造と原理
金属顕微鏡の構造
金属顕微鏡には、試料を上方から観察する正立型金属顕微鏡と、下方から観察する倒立型金属顕微鏡の2種類があります。両者いずれも生物顕微鏡と同じく接眼レンズ、鏡筒、ステージ、焦点調整機構などを備えていますが、照明と対物レンズの構造は生物顕微鏡のそれとは異なります。
照明
同軸落射照明と呼ばれる照明法は金属顕微鏡の特徴的な構造で、対物レンズの方向から照明を垂直に照射します。試料からの正反射光をとらえることで金属組織などを観察することができます。
同軸落射照明は、ハーフミラーを用いて対象物に照射する照明の光軸と対物レンズの光軸を一致させるような構造をしています(図)。光源から発された照明光はハーフミラーにより対物レンズ内部を通過し、試料を照明します。試料から正反射した光は再び対物レンズを通り、接眼レンズ・カメラ側へ導かれます。
対物レンズ
金属顕微鏡ではカバーグラスを使用しないため、生物顕微鏡の対物レンズとは異なる光学設計です。生物顕微鏡の対物レンズは、カバーグラス(一般的には厚さ0.17mm、培養用は1mm程度)によって生じる球面収差を考慮した光学設計となっています。一方金属顕微鏡では、カバーグラス補正の無い対物レンズ(ノンカバー対物レンズ、あるいはノーカバー対物レンズと呼ばれます)を使用します。
※生物顕微鏡でも塗抹標本などを観察する場合はノンカバー対物レンズが使用されます。金属顕微鏡でも液晶パネルなどを観察する場合はカバーグラス補正のある対物レンズが使用されます。
金属顕微鏡において最も特徴的であるのが照明法です。生物顕微鏡が試料を透過した光を観察するのに対し、金属顕微鏡は試料の反射光を観察します。
金属顕微鏡の照明法は「同軸落射照明」と呼ばれます。照明光を対物レンズ側から試料表面へ導き、試料表面で反射した光によって像を観察します。試料に入射した光は、表面の傾きや凹凸、粗さ、材料(表面状態)による反射に応じて対物レンズに戻ってきます。

試料表面のうち平坦で鏡面に近い部分では、照明光が正反射され対物レンズに戻るため、明るい像として見えます。一方、試料表面に傾きや微小な凹凸・粗さがある部分では、拡散反射となり、正反射した部分に比べ暗い像となります。
その他の光学的な原理は生物顕微鏡と同じです。
金属顕微鏡では、標本から反射した光で対物レンズが実像(中間像)を作り出し、それを接眼レンズがさらに拡大して虚像として観察者に提示します。
この虚像は、観察者の目から約250mm先(明視距離)にある仮想のスクリーン上にあるかのように感じられます。
金属顕微鏡の用途
金属顕微鏡は、光不透過性の試料を観察するために用いられます。主に金属材料の微細構造評価に広く用いられ、材料工学における金属組織検査に重要な装置です。代表的な用途として以下のようなものが挙げられ、研究開発から品質管理まで幅広く使用されています。
- 金属組織の観察
- 金属破断面の解析
- 金属の表面処理(メッキ・酸化膜・コーティング)の評価
- 研磨・エッチング処理した金属の結晶組織の観察
- 金属の結晶粒径の測定
- 金属内部の介在物や析出物の評価
- 金属、樹脂、セラミックス等の微細加工表面の検査
- 半導体や電子部品の表面観察
金属顕微鏡の観察例
金属組織の観察
- 結晶の種類・大きさ(結晶粒径)・分布の確認
- プレス加工や熱処理後の組織の観察
- 脱炭層の深さ測定
- 黒鉛球状化率の測定
- エッチング処理後の状態
- 腐食の程度の確認
薄膜・コーティングの観察
- メッキ・コーティング・アルマイト処理等を施した試料の膜厚測定や密着性の評価、細孔(ポア)・割れ(クラック)等の確認
精密部品の検査
- ICチップの層構造や傷の確認
- シリコンウェハの傷・パターンの確認
- 光ファイバー端面の傷・汚れの検査
毛髪の観察
- 毛髪のキューティクルの観察
岩石・鉱石等の観察
- 岩石・鉱石等の組織や構造の観察
繊維の観察
- 不織布マスク・フィルタ等に付着した異物の確認
金属顕微鏡の使い方
金属顕微鏡を用いた観察では、観察に適した試料の作製と顕微鏡のセッティングが重要です。
試料作製
観察部位を切り出し、必要に応じて樹脂包埋し、粗研磨から仕上げ研磨(鏡面研磨)へ段階的に進めて観察面を整えます。
正立型金属顕微鏡では、試料上面と試料底面が平行になるようにし、観察面の平坦性を保つ必要があります。必要に応じて試料底面が観察面と平行になるように研磨したり、観察面がステージと平行になるように粘土のようなものを用いて試料を配置します。
倒立型金属顕微鏡の場合、試料がステージに接する面が観察面となるため、観察面(片面)のみの研磨で観察が可能です。
エッチング(必要な場合)
粒界や相境界などを可視化する場合、材質・目的に応じたエッチングを行います。
焦点の調整
試料を顕微鏡のステージに設置し、最初は低倍率の対物レンズ(5倍・10倍等)を使用します。あらかじめ粗動焦点調整ハンドルを操作して試料と対物レンズを近づけておき、粗動・微動焦点ハンドルを操作して試料から対物レンズから遠ざけるようにして焦点を合わせます(このとき、微動焦点ハンドルを何度も回転しないように注意します)。
像が得られたら、観察したい部位が視野の中心に来るように試料を移動させます。その後、徐々に対物レンズ倍率を上げ、その都度焦点調整と、標本の位置調整を行います。
※一般的に各対物レンズは同焦点が得られるように作られており、対物レンズを切り替えた際おおよその焦点は合っているため、微動焦点ハンドルの操作のみで焦点調整ができます。
照明の調整
開口絞り(コンデンサ絞り)により照明のN.A.(開口数)を調整し、コントラスト・解像力とのバランスを整えます。対物レンズの開口数(N.A.:対物レンズの胴面に記載されている)と開口絞りの開口数が一致しているときに分解能が最大となりますが、実際の観察時には像のコントラストを増すために対物レンズの開口数(N.A.)の70~80%程度に開口絞りの開口量を小さくします。
視野絞りを適切に調整することで、観察視野外からの余分な反射光を抑え、フレア(かぶり)を低減します。
観察
接眼レンズを覗き込み、像を観察します。一般的な光学顕微鏡と同様に、必要に応じて瞳孔間距離や視度の補正を行います。
観察像の記録を行う場合、顕微鏡用カメラ等を用いて画像を撮影します。
複数の画像を用いて比較する場合には、観察条件(対物レンズ倍率・観察方法・露出時間やゲイン・ホワイトバランスなど)を併せて記録し、比較時の条件を一定にすることが重要です。


